日本大百科全書(ニッポニカ) 「仲里」の意味・わかりやすい解説
仲里
なかざと
沖縄県島尻(しまじり)郡にあった旧村名(旧、仲里村(そん))。現在は久米島町(くめじまちょう)の一地区。2002年(平成14)具志川村(ぐしかわそん)と合併、町制施行し、久米島町となる。旧仲里村地区は沖縄本島南西100キロメートルにある久米島東部および奥武島(おうじま)、オーハ島を含む。久米島の南部、北部は丘陵および台地となっており、中央部は低地。水利に恵まれ、かつては稲作が盛んであったが、第二次世界大戦後に水田が激減し、サトウキビや野菜、葉タバコの栽培にかわった。伝統的な久米島紬(つむぎ)は現在でも真謝(まじゃ)の村落を中心に織られている。近世琉球(りゅうきゅう)に役所として置かれた仲里間切蔵元(まぎりくらもと)(蔵元=役所)の旧跡には、建物はないが、当時の石垣が残り、旧仲里間切蔵元石牆(せきしょう)として国の重要文化財に指定されている。このほかにも奥武島の畳石など観光資源に恵まれて、観光地化が進んだ。
[堂前亮平]
『『仲里村誌』(1975・仲里村)』