真野萱原
まののかやはら
[現在地名]石巻市真野 萱原
「真野村安永風土記」の長谷寺書出に「小名之事 萱原 境内景地之事 真野萱原」とあり、「万葉集」巻三の「笠女郎、大伴宿禰家持に贈る歌三首」の一つ「陸奥の真野の草原遠けども面影にして見ゆといふものを」で知られる歌枕真野草原に古くから擬せられてきた。歌枕の地が実地に即した原歌から直接的に成立したものでないことはもちろんで、むしろ後世に至って古歌の原拠地の探索が始まったといえよう。とくに東北の遠国では、陸奥の歌枕を尋ねての旅が中世以来連歌師や俳諧師によって盛んになるに伴い、にわかにそうした傾向は促進され、やがて特定の場に固定されてもいく。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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