眠り姫(読み)ネムリヒメ

関連語 美女

改訂新版 世界大百科事典 「眠り姫」の意味・わかりやすい解説

眠り姫 (ねむりひめ)

フランスのシャルル・ペローが1697年に出版した《昔々の物語ならびに教訓》に収めた話と,ドイツの《グリム童話》とによって知られている昔話。いばら姫ともいう。王女誕生の祝いのとき,招待されなかった仙女がその子の死を予告するが,招待された仙女がこれを100年の眠りと定める。予言のとおり,15歳になったとき,紡錘で指を刺して眠りにおち,宮殿全体も同時に眠り始める。100年後,城に入ってきた王子が,姫の美しさに打たれてキスすると,ちょうど100年が過ぎていて姫は目をさまし,王子と結婚する。この話の最古の記録は17世紀イタリアのバジーレによる《ペンタメローネ》である。彼は,14世紀ころの,オリエント起源の話を再話したものとされている。現在では,南欧,オリエント,ブラジルではバジーレの話が,ヨーロッパのアルプス以北ではペローかグリムの話が口伝えにまでなっている。一方,グリム兄弟が主としてその昔話を集めたヘッセン州には,眠り姫(またはいばら姫)が眠っていたという古城がサバブルクに現存している。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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