矢波村(読み)やなみむら

日本歴史地名大系 「矢波村」の解説

矢波村
やなみむら

[現在地名]能都町矢波・猪平いのひら吉野よしの黒郷くろごう

波並はなみ村の西に位置し、南東内浦に臨む。寺田てらだ川河口に集落と弁天べんてん島があり、村内を内浦街道が通る。矢並とも記す。同川約一里上流に垣内の猪平があり、「三州志」には伊平と記される。承久三年(一二二一)九月六日の能登国田数注文に「矢波村」とみえ、公田数は四段。永正一五年(一五一八)三月に能登を旅した冷泉為広の「能州下向日記」に「ヤナミ」の地名が、享禄五年(一五三二)五月の穴水村・諸橋六郷長衆交名案(諸橋文書)に、諸橋六郷衆として「屋なミ」の木之下・九郎兵衛の名がみえる。


矢波村
やなみむら

[現在地名]矢部市矢波

なか村の西、子撫こなで川右岸の矢部やべ山南麓に立地。矢波川が地内で子撫川合流。矢波川につづみヶ滝がある。元和五年(一六一九)の家高新帳に村名がみえ、役家数三、桜町組に属する。正保郷帳では高六二石余、田方二町余・畑方二町一反余。寛文一〇年(一六七〇)の村御印では草高一〇四石・免五ツ四歩、小物成は山役五五匁(三箇国高物成帳)。所属組は坂又さかまた村に同じ。天保一〇年(一八三九)の高物成帳(菊池家文書)によれば、貞享元年(一六八四)の検地引高三八石などがあり、高六六石余。明治二年(一八六九)の家数一四・人数九七(「家数人数書出帳」太田家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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