日本大百科全書(ニッポニカ) 「矢野峰人」の意味・わかりやすい解説
矢野峰人
やのほうじん
(1893―1988)
詩人、英文学者。岡山県の生まれ。本名禾積(かづみ)。京都帝国大学英文科卒業。上田敏(びん)、厨川白村(くりやがわはくそん)らに教えを受ける。小学校時代から詩をつくり、北原白秋(はくしゅう)や三木露風(ろふう)らの影響を受けた。詩集に『黙祷(もくとう)』(1919)、『幻塵(げんじん)集』(1940)、『影』(1943)など、訳詩集に『しるえつと』(1933)、『ルバイヤート』の訳『波斯(ぺるしあ)古詩 現世経(げんぜきょう)』(1959)などがある。また『近代英文学史』(1926)、『近英文芸批評史』(1943)、『蒲原有明(かんばらありあけ)研究』(1948)、『新・文学概論』(1961)なども、優れた業績とされる。
[山中信夫]
『『蒲原有明研究』新訂版(1984・日本図書センター)』▽『『新・文学概論』増補版(1968・大明堂)』