明堂(読み)メイドウ(その他表記)Míng táng

デジタル大辞泉 「明堂」の意味・読み・例文・類語

めい‐どう〔‐ダウ〕【明堂】

昔、中国天子が政を行った殿堂政堂朝廷
鍼灸しんきゅう経穴の一。額中央の、髪の生え際より少し上にあるつぼ。上星。

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精選版 日本国語大辞典 「明堂」の意味・読み・例文・類語

めい‐どう‥ダウ【明堂】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国周代、天子が諸侯を会して、政治を行なった殿堂の名称。転じて、一般に、政堂。朝廷。みょうどう。
    1. [初出の実例]「勅右丞相。修復大極前殿、備明堂也」(出典:本朝文粋(1060頃)九・大極殿成命宴詩序〈三善清行〉)
    2. [その他の文献]〔礼記‐明堂位〕
  3. 灸点(きゅうてん)の名。額の中央の、髪の生え際より少し上の部分をいう。

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改訂新版 世界大百科事典 「明堂」の意味・わかりやすい解説

明堂 (めいどう)
Míng táng

中国古代帝王がそこで政教を明らかにしたとされる建物。政治,儀礼祭祀,教育といった,国家の重要な営みはすべてそこで行われたが,のちにそれらは朝廷,圜丘(えんきゆう)(天をまつる壇),宗廟(そうびよう),辟雍(へきよう)(学校)などに分化していったといわれる。《周礼(しゆらい)》や《礼記(らいき)》などの経書に記載されているが,その具体的な規模についてはよくわからず,古来より経学上の重要な争点の一つであった。漢代以来,歴代の皇帝学者に審議させてこの儒教の殿堂の復元をはかり,自己の徳治政治のよりどころにしようとした。明堂制度の内容とその変遷については,清の恵棟(けいとう)《明堂大道録》が詳しい。なお,〈明堂〉には上述の意味から転じて,次のような意味を表す場合がある。(1)星座の名。房宿の4星をいう。(2)中国医学で,人体の経絡(けいらく)や孔穴(つぼ)の部位を図示したものを〈明堂図〉という。(3)道教で体内にある宮殿の名。
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普及版 字通 「明堂」の読み・字形・画数・意味

【明堂】めいどう(だう)

王室の大。古くは辟雍(へきよう)といった。〔孟子、梁恵王下〕夫(そ)れ堂は、王の堂なり。王、王を行はんと欲せば、則ち之れを毀(こぼ)つこと勿(なか)れ。

字通「明」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「明堂」の意味・わかりやすい解説

明堂
めいどう
Ming-tang; Ming-t`ang

中国の伝説上の王者が政務を行う宮殿。古代には,王者は太陽の霊を受けて諸侯を朝見し政令を発するという信仰があったが,これから展開したものと思われ,土の台上に5室4門の宮殿を設け,時節によって礼を異にし室を異にする朝儀を行なったという。漢代には,この種の宮殿を設ける者もあったらしい。太廟,璧雍との関係をめぐって学者の間に議論が多い。またの国には特に明堂の政が許されたという。

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占い用語集 「明堂」の解説

明堂

地中を流れていたエネルギーが地上に噴き出すポイントである「龍穴」の周りに広がる空間のこと。この空間を小高い山々が包み(砂)、川が囲むと、風水上の好立地と考える。

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世界大百科事典(旧版)内の明堂の言及

【宇文愷】より

…東都の乾陽殿は豪華な装飾をきわめ,観文殿には機械じかけの自動扉も設けられた。明堂建設計画にも加わり,古典文献による復元的な設計案と模型を奏上した。その際の《明堂議表》が《隋書》に見えるが,《東都図議》《釈疑》などの著作は失われた。…

※「明堂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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