中国古代に帝王がそこで政教を明らかにしたとされる建物。政治,儀礼,祭祀,教育といった,国家の重要な営みはすべてそこで行われたが,のちにそれらは朝廷,圜丘(えんきゆう)(天をまつる壇),宗廟(そうびよう),辟雍(へきよう)(学校)などに分化していったといわれる。《周礼(しゆらい)》や《礼記(らいき)》などの経書に記載されているが,その具体的な規模についてはよくわからず,古来より経学上の重要な争点の一つであった。漢代以来,歴代の皇帝は学者に審議させてこの儒教の殿堂の復元をはかり,自己の徳治政治のよりどころにしようとした。明堂制度の内容とその変遷については,清の恵棟(けいとう)《明堂大道録》が詳しい。なお,〈明堂〉には上述の意味から転じて,次のような意味を表す場合がある。(1)星座の名。房宿の4星をいう。(2)中国医学で,人体の経絡(けいらく)や孔穴(つぼ)の部位を図示したものを〈明堂図〉という。(3)道教で体内にある宮殿の名。
執筆者:三浦 国雄
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…東都の乾陽殿は豪華な装飾をきわめ,観文殿には機械じかけの自動扉も設けられた。明堂建設計画にも加わり,古典文献による復元的な設計案と模型を奏上した。その際の《明堂議表》が《隋書》に見えるが,《東都図議》《釈疑》などの著作は失われた。…
※「明堂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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