石山寺多宝塔(読み)いしやまでらたほうとう

山川 日本史小辞典 改訂新版 「石山寺多宝塔」の解説

石山寺 多宝塔
いしやまでらたほうとう

1194年(建久5)の建築で,現存する最古の木造多宝塔。初重の平面が大きく高さが低いため,安定感のある整った外観をもつ。初重内部は,四天柱の後方に来迎壁を設け須弥壇(しゅみだん)に大日如来像を安置。四天柱・長押(なげし)・天井・扉回りなどに極彩色仏画文様を描く。慶長年間の修理で軒回りや小屋組・扉などをとり替えた。高さ16.3m。国宝

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の石山寺多宝塔の言及

【和様建築】より

…奈良では鎌倉時代の興福寺北円堂(1210),同三重塔(12世紀末),法隆寺聖霊院(1284),室町時代の興福寺東金堂,同五重塔などが古代的な和様で,元興寺極楽坊本堂(1244),長弓寺本堂(1279)などは大仏様の細部をとり入れている。京都の蓮華王院本堂(1266),大報恩寺本堂(1227),滋賀県の石山寺多宝塔(1194),西明寺三重塔(鎌倉中期)なども和様の代表作である。折衷様では広島明王院本堂(1321)は禅宗様とその他の大陸の影響があり,和歌山松生院本堂(1295。…

※「石山寺多宝塔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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