朝日日本歴史人物事典 「石本新兵衛」の解説
石本新兵衛
生年:生年不詳
江戸前期の貿易商人,長崎平戸町乙名(町の代表者)。壱岐国(長崎県)生まれ。父了雲,母と共に肥前国平戸(長崎県)へ移り,天正4(1576)年ごろ,長崎大村町へ移住した。寛永2(1625)年,平戸町乙名を拝命。その後,石本家は代々平戸町乙名を務めた。由緒書によれば,文禄1(1592)年より寛永10(1633)年まで,了雲と共に外国へ渡航。長崎代官末次平蔵船の客商であったといわれる。町乙名拝命以後は,キリシタンの改宗など鎖国形成期の町政を担った。同15年,乙名役を長男に譲渡。法名了円。長崎本蓮寺に葬る。<参考文献>中村質「人別帳よりみた近世初期の長崎平戸町」(『九州史学』26号)
(岩崎義則)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報