最新 地学事典 「石油成因説」の解説
せきゆせいいんせつ
石油成因説
theory on origin of petroleum
石油が生物起原か否かにより,無機成因説と有機成因説に大別。無機成因説は,マントルなどの地球深部での炭素または炭素化合物と水素の反応による地球深部ガス説,地球の創生時にすでに存在したとする宇宙成因説など。有機成因説は,生物体内での合成とする生物炭化水素直接起原説,堆積後早期に有機物が分解・転化したプロトペトロリウムが貯留岩中で続成変化したとする続成作用初期成因説,堆積岩中のケロジェンの熱分解とする続成作用後期成因説(ケロジェン根源説)など。石油鉱床の99%以上が堆積岩中で発見されること,石油中に生物によってのみ合成可能な化合物が数多く存在すること,このうちクロロフィルに由来するポーフィリンが無機成因説が想定する温度(一般に200℃以上)では分解することなどから,20世紀半ばに有機成因説が主流になった。その後の堆積岩有機物の研究の進歩により,1970年代以降ケロジェン根源説が最有力。石油の一部は,脂質・蛋白質などの有機物から直接形成されるが,その量的貢献度は小さい。埋没深度の増加に伴い,ケロジェンは主に熱作用によって変化し,ある深度(日本の含油堆積盆地では2,000~3,600m)に達すると多量の液状炭化水素を発生し,これが貯留岩に移動して石油鉱床を形成する。
執筆者:田口 一雄・平井 明夫
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

