日本大百科全書(ニッポニカ) 「石潤基」の意味・わかりやすい解説
石潤基
せきじゅんき / ソクユンギ
(1929―1989)
北朝鮮の作家。慶尚北道(けいしょうほくどう/キョンサンプクド)生まれ。1947年成均館大学で学ぶ。運送業、記者などの職につきながら反米救国闘争に参加。50年ソウル解放時に朝鮮人民軍に入隊、戦後は平壌(ピョンヤン)で言論部門に携わり、小説を書く。最高人民会議常設会議委員、朝鮮作家同盟委員長、4・15文学創作団の団長を務め、金日成賞を受けた。代表作に、祖国解放戦争をテーマとした長編『時代の誕生』(一部・1964、二部・1966)、中編『戦士たち』(1960)、抗日武装闘争に立ち上がった青春群像を描いた『咲き乱れるひまわり』(1970)、『春雷』(1985)のほか、千里馬(チョンリマ)時代の新しい生活観を映す短編『幸福』(1963)など。
[金 学 烈]
『卞宰洙訳『戦士たち』(1979・朝鮮青年社)』