慶尚南道(読み)けいしょうなんどう

精選版 日本国語大辞典 「慶尚南道」の意味・読み・例文・類語

けいしょう‐なんどう ケイシャウナンダウ【慶尚南道】

朝鮮半島の南東端に位置し、朝鮮海峡に面する道。道都は昌原洛東江が貫流し、二毛作地帯で米、麦などを産出南岸リアス式海岸で、巨済島南海島など島が多い。キョンサンナムド

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デジタル大辞泉 「慶尚南道」の意味・読み・例文・類語

キョンサン‐ナムド【慶尚南道】

大韓民国南東部、朝鮮海峡に臨むどう。道都は昌原チャンウォン、古くは現在の広域市の釜山プサン蔚山ウルサンを含んだ。洛東江流域は二毛作地帯。けいしょうなんどう。

けいしょう‐なんどう〔ケイシヤウナンダウ〕【慶尚南道】

キョンサンナムド

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「慶尚南道」の意味・わかりやすい解説

慶尚南道
けいしょうなんどう / キョンサンナムド

韓国(大韓民国)の南東端にある道。面積1万0513.49平方キロメートル、人口297万0929(2000)。10市10郡からなる。道庁所在地は昌原(しょうげん)。地形は、東に太白(たいはく/テペク)山脈の余脈が東部山地をなし、西は小白(しょうはく/ソベク)山脈が西部山地をなし、中央は中央低地をなす。西部山地は智異(ちい)山(1915メートル)、徳裕山(1508メートル)などの山々がそびえており、中央低地は洛東江(らくとうこう/ナクトンガン)、南江、密陽江、黄江などの流域に広大な金海(きんかい/クムヘ)平野と晋州(しんしゅう/ジンジュ)平野が展開され、穀倉をなす。本道の中心部を貫く洛東江の支流の黄江・南江流域には居昌(きょしょう)、咸陽(かんよう)、山清など侵食盆地が発達している。洛東江は雨期の氾濫(はんらん)が多かったが、南江ダム(1969)、安東ダム(1976)の建設以後は緩和された。東海岸(日本海側)は単調であるが、南海岸はリアス海岸をなし、半島、湾、島嶼(とうしょ)の多い多島海をなし景色もよく、閑麗(かんれい)海上国立公園になっている。沿岸には馬山(ばさん)、鎮海統営などの良港が発達している。気候は温暖多雨であり、年平均気温は11~14℃、1月平均気温は南海岸地方が0~3℃、内陸地方は0℃以下で、8月平均気温は両地方とも24~27℃内外である。年降水量は1100~1600ミリメートル。揚子江(ようすこう)低気圧と台風の通過する頻度が高い。

 全住民の40%余が農業に従事し、金海とその付近では釜山(ふざん/プサン)を市場とする園芸農業と酪農業が発達した。また、冬の温和な気候を利用してソウルを市場とする遠郊農業も活発である。山間地方では養蚕業が盛んで、南海岸地方では各種漁業が活発であるが、とくにカキの水産養殖業は全国一である。本道は、南東沿岸工業地帯を中心として、繊維、食品、石油化学、造船、自動車、各種機械工業が発達した。伝統工芸品としては、忠武(ちゅうぶ/チュンム)の螺鈿(らでん)漆器が有名である。伽倻山(かやさん)国立公園、徳裕山国立公園、智異山国立公園、閑麗海上国立公園、通度寺、海雲台など観光名所が多い。

[森 聖雨]

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百科事典マイペディア 「慶尚南道」の意味・わかりやすい解説

慶尚南道【けいしょうなんどう】

韓国南東端の道。10市11郡,道都は昌原釜山は本道の地域に属するが,直轄市として別区画。北道と合せて慶尚道は嶺南地方と称され,歴史的には新羅の故地である。西方の全羅北・南道との境には小白山脈が海岸線まで続き,智異山(1915m),徳裕山(1508m)などがある。洛東江とその支流の黄江,南江,密陽江に沿って盆地状の平野が開け,南の海岸はリアス式で出入が多く,釜山,鎮海馬山蔚山(うるさん)などの良港湾がある。高温多雨,二毛作率は60%に及び,米麦が主産物で,リンゴ栽培も盛ん。水産業はサバ,ヒラメ,グチなどが豊富。釜山を中心に機械器具,化学,繊維製品,造船,ゴムなどの工業が発展しており,大規模工業団地が蔚山,馬山,昌原,釜山などに建設されている。1万516km2。316万人(2010)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「慶尚南道」の意味・わかりやすい解説

慶尚南〔道〕
けいしょうなん

キョンサンナム(慶尚南)道」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の慶尚南道の言及

【慶尚道】より

…朝鮮八道の一つで嶺南地方ともよばれる。現在,韓国の行政区分上,慶尚南道と慶尚北道,大邱広域市,釜山広域市に四分されている。人口は慶尚北道(道庁所在地は大邱)277万5922,慶尚南道(道庁所在地は昌原)395万8540,大邱市248万5977,釜山市389万2972(いずれも1995)にのぼり,4地域合計の1311万3411は韓国全人口の28%をこえている。…

※「慶尚南道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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