石窟庵と仏国寺(読み)せっくつあんとぶっこくじ

世界遺産詳解 「石窟庵と仏国寺」の解説

せっくつあんとぶっこくじ【石窟庵と仏国寺】

1995年に登録された韓国の世界遺産(文化遺産)。ソックラム(石窟庵)とプルグクサ(仏国寺)は、かつて新羅(4世紀半ばから935年)の都があった慶尚北道キョンジュ(慶州)市東南の郊外にある仏教史跡で、8世紀頃新羅35代の景徳王の時代に建設された新羅美術の最高峰の遺構である。ソックラムはトハムサン(吐含山、標高745m)に建設された。石窟の主室には、751年にキム・デソン(金大城、景徳王時代の宰相)が安置した本尊の阿弥陀如来座像を中心に仏像彫刻円形に配置されている。トハムサンの麓にあるプルグクサはキム・デソンにより建立された仏教寺院で、新羅仏教の象徴的な存在となっている。最盛期の8世紀には約60棟の木造建築物(伽藍)があったといわれるが、1592年の文禄の役(壬辰倭乱豊臣秀吉の第一次朝鮮出兵)で、ほとんどが焼失してしまい、現在残っている木造の建築物は、17世紀以降に再建されたものである。プルグクサの境内には、釈迦塔や多宝塔などの当時の石塔が残されている。◇英名はSeokguram Grotto and Bulguksa Temple

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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