破れ鍋に綴じ蓋(読み)ワレナベニトジブタ

デジタル大辞泉 「破れ鍋に綴じ蓋」の意味・読み・例文・類語

なべぶた

破損した鍋にもそれ相応の蓋があること。どんな人にも、それにふさわしい伴侶があることのたとえ。また、両者が似通った者どうしであることのたとえ。
[補説]「綴じ蓋」を「閉じ蓋」と書くのは誤り。「綴じる」は縫い合わせるの意で、「綴じ蓋」は修繕した蓋のこと。

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関連語 出典 実例 初出

精選版 日本国語大辞典 「破れ鍋に綴じ蓋」の意味・読み・例文・類語

われなべ【破鍋】 に=綴(と)じ蓋(ぶた)[=めげ御器(ごき)・=欠(か)け蓋(ぶた)

  1. 破鍋にもそれにふさわしいとじ蓋がある。どんな人にも相応した配偶者がある、また、何事にも似かよった者どうしがふさわしいというたとえ。〔俳諧・毛吹草(1638)〕
    1. [初出の実例]「つらかりしそなたのしりもわれなべにわがかけふたにあふぞ嬉しき」(出典:狂歌・堀河百首題狂歌集(1671)恋)

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ことわざを知る辞典 「破れ鍋に綴じ蓋」の解説

破れ鍋に綴じ蓋

欠けたりひびが入った鍋にも、相応の修理したふたがある。どんな人にもその人にふさわしい相手がいること、また、それぞれ欠点があり、似かよった男女二人が所帯をもってともに暮らしていることのたとえ。

[使用例] ひょっとすると、割れなべにとじぶたでうまくいくのではないかと、一同期待していたのだが[野坂昭如真夜中マリア|1969]

[解説] 破れ鍋は、欠けたりひびが入ったりしている鍋で、綴じ蓋は、閉じるふたではなく、修理したふたの意。

英語〕Every Jack has his Jill.(どのジャックにも似合いのジルがいる)

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