一同(読み)イチドウ

デジタル大辞泉 「一同」の意味・読み・例文・類語

いち‐どう【一同】

そこにいる人々全部。または、仲間の者全体。「有志一同
同じであること。同一
「面々の意見―せしかば」〈太平記・四〉
心を一つにして物事をすること。→一同に
「などか又、おのおの見つかざりつるぞ。―せられけるにや」〈とはずがたり・二〉
[類語]だれも・誰しも誰も彼も全員総員一統満座満場みんな皆皆皆さん皆様皆皆様皆が皆総出総掛かり猫も杓子も

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精選版 日本国語大辞典 「一同」の意味・読み・例文・類語

いち‐どう【一同】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) 全く同じであること。一致すること。一つになるさま。
    1. [初出の実例]「三曳自柱、不他造、一同本覚、何待縁起」(出典:性霊集‐六(835頃)藤大使為亡児設斎願文)
    2. 「世上一同に帰せば、力なく其の方へ諸道の事はなるべき也」(出典:十問最秘抄(1383))
  3. そこにあるすべてのもの。全体。みな。
    1. [初出の実例]「一同 イチドウ 〔左伝〕列国一同」(出典:書言字考節用集(1717)八)
  4. ( ━する ) 心を一つにして物事をすること。賛同すること。
    1. [初出の実例]「各所申頗不一同也」(出典:吾妻鏡‐貞応二年(1223)正月二〇日)
    2. 「満座一同しければ」(出典:古今著聞集(1254)五)
  5. ( 多く「に」を伴って副詞的に用いる )
    1. (イ) 複数の人が同時に物事をすること。みんなが同様の動作、行為などをするさま。いっしょ。
      1. [初出の実例]「納官封家一同割充之」(出典:延喜式(927)二六)
      2. 「おのおの一同に申されければ」(出典:平家物語(13C前)一〇)
      3. [その他の文献]〔羅隠‐陝西晩思詩〕
    2. (ロ) 全体をひとまとめにするさま。
      1. [初出の実例]「大なるも、小なるも、又良きも、悪しきも、皆一同に捕ふることを得るなり」(出典:小学読本(1873)〈田中義廉〉一)

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