硫黄城跡(読み)いおうぐすくあと

日本歴史地名大系 「硫黄城跡」の解説

硫黄城跡
いおうぐすくあと

[現在地名]那覇市東町

近世の渡地わたんじ村東端に位置した岩山の城。往昔、中国への進貢の硫黄を貯蔵した所という。方音ではユーワーグスク。屋慶名政賀の首里那覇全景図屏風(沖縄文化の遺宝)や首里那覇港図(県立博物館蔵)にみえる。築城年代は不明だが、進貢の硫黄を扱っていることから、その創設は第一尚氏かそれ以前と推測される。「琉球国由来記」に往昔、海賊襲来時の防備のため兵士が詰めていたとあるところから、向い合う那覇川中の御物おもの城とともに、那覇港口の防御ラインの一角を占めていたと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android