磯山遺跡(読み)いそやまいせき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「磯山遺跡」の意味・わかりやすい解説

磯山遺跡
いそやまいせき

栃木県真岡(もおか)市磯山にある旧石器時代遺跡。谷島静訓(やじませいくん)によって発見され、1961、1962年(昭和36、37)に芹沢長介(せりざわちょうすけ)(1919―2006)が発掘調査を行った。遺物の出土層準は宝木ローム上位の黒色帯中であり、実年代は2万1000年前よりもやや古いと考えられる。出土した石器としては、ナイフ形石器、彫刻刀、スクレーパー、錐(きり)、鋸歯(きょし)縁石器、局部磨製石斧(せきふ)、敲石(たたきいし)などがあり、石材には安山岩頁岩(けつがん)が多く用いられ、黒曜石、チャート、玉髄(ぎょくずい)などはまれであった。住居址(し)などの遺構は発見されなかったが、拳(こぶし)大の河原石が数百点散在する当時の生活面から、多くの石器や石核、剥片(はくへん)などが検出され、互いに接合された資料も少なくなかった。

[芹沢長介]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例