20世紀日本人名事典 「神八三郎」の解説
神 八三郎
ジン ハチサブロウ
明治〜昭和期の馬産実業家 元・釧路馬匹組合長;元・釧路産馬畜産組合長。
- 生年
- 慶応2年(1866年)
- 没年
- 昭和30(1955)年
- 出生地
- 津軽
- 経歴
- 貧しい農家に生まれ、明治26年北海道釧路地方に入植、釧路原野を開拓し、馬鈴薯農場を開くが、農場経営に失敗。32年から釧路で馬の牧場を手がけ馬匹改良に取組む。日本三大馬市場の一つ、大楽毛家畜市場を開設し、釧路馬匹組合長、釧路産馬畜産組合長などを歴任した。ドサンコ(道産馬)とフランス原産のペルシュロン種を交配した外国の既存品種にない小格重輓馬づくりを目指し、釧路の馬産者をまとめて釧路馬匹組合を結成、「釧路産馬方針」を決めて明治政府に陳情。小格重輓馬は国の産馬改良方針に正式にとり上げられ、30余年かけてつくりあげた釧路種が、昭和7年改良国産馬の品種として認定され、「日本釧路種」として農林省に登録された(軍馬・農耕馬として戦前は数10万頭が生産されたが、戦後需要の衰退と共に日本釧路種の血統は絶滅)。釧路では現在も「馬の神さま」と呼ばれる。没後2年目、32年に大楽毛家畜市場跡地に銅像が建てられた。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報