祭り込む(読み)マツリコム

デジタル大辞泉 「祭り込む」の意味・読み・例文・類語

まつり‐こ・む【祭り込む】

[動マ五(四)]
尊いものとしてある場所に安置して祭る。
「先祖代々の墓の中に新仏を―・むからであろう」〈漱石趣味遺伝
名目だけの地位につけて、ていよく遠ざける。
足下のような好色漢すきものはあのよな窮屈会に―・んで置かぬと」〈魯庵破垣
祭り上げる2」に同じ。
伊藤博文枢密院議長に―・まれて」〈有吉紀ノ川

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精選版 日本国語大辞典 「祭り込む」の意味・読み・例文・類語

まつり‐こ・む【祭込】

  1. 〘 他動詞 マ行五(四) 〙
  2. 尊いものとしてまつり、ある場所に安置する。
    1. [初出の実例]「浦安大明神とでも祀(まつ)り上げられたら末社にでも祀り込まれるかも知れんが」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉猟官)
  3. じゃま者を敬して遠ざける。口うるさい人などを敬いながら遠ざける。
    1. [初出の実例]「己(おいら)もお前も酔過て倒れたもんだから仕方なしにここへ祀(マツ)りこまれたんだらうよ」(出典:西洋道中膝栗毛(1874‐76)〈総生寛〉一三)
  4. まつりあげる(祭上)
    1. [初出の実例]「世間へのぼろかくしのために、無理から祭(マツ)り込(コ)まれたをとり重役で」(出典:真理の春(1930)〈細田民樹〉頭の上の街)
  5. 富有な人に書画などの偽物を本物と信じこませてつかませる。

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