福束輪中(読み)ふくづかわじゆう

日本歴史地名大系 「福束輪中」の解説

福束輪中
ふくづかわじゆう

現在の輪之内町域にある輪中。東は長良川、西は揖斐いび川が南流、北は長良・揖斐両河川を結ぶ旧中村なかむら川の輪中堤が蛇行状に残り、南部を大榑おおぐれ川が限る。福束輪中排水機場と禹閘門から悪水を排出する。近世には旧福束輪中と大吉おおよし輪中との複合輪中として水防組織が成立していたと考えられ、元和年間(一六一五―二四)に開発された旧福束輪中内の海松みる新田・福束新田・藻池もいけ新田と、寛文年間(一六六一―七三)三郷さんごう輪中(西海松村・本郷村・柿内村の地)の野方に開発された大吉新田豊喰とよばみ新田がなか堤を境に接していた(寛政一一年「福束輪中中堤絵図」県立歴史資料館蔵など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の福束輪中の言及

【輪之内[町]】より

…大榑(おおぐれ)川が町の南辺を流れて揖斐川に注ぐ。低湿地で,町全体が堤防に囲まれ福束(ふくづか)輪中を形成し,町名もこれにちなむ。水害に悩まされ続けてきたが,江戸時代以降は次々に新田開発が行われた。…

※「福束輪中」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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