福田ドクトリン(読み)ふくだドクトリン(その他表記)Manila Speech

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「福田ドクトリン」の意味・わかりやすい解説

福田ドクトリン
ふくだドクトリン
Manila Speech

1977年8月,東南アジア諸国連合 ASEAN諸国歴訪中の福田首相がマニラで行なった政策演説で,マニラスピーチ,東南アジア外交三原則ともいわれる。 1974年の田中首相の ASEAN歴訪の際,ジャカルタでの反日暴動など激しい反日機運が噴出したのを契機に,従来の利潤追求型の東南アジア関係を修正し,同地域の安定的発展と相互依存を重視する姿勢を打出したもの。 (1) 日本の軍事大国化の否定,(2) 「心と心」の通う友好関係の樹立,(3) 対等なパートナーとして東南アジアの地域的共存と安定に寄与することなど3つの指針を明らかにした。政治的役割の回避に特徴づけられる,第2次世界大戦後の日本の東南アジア外交における一つの転機と位置づけられる。

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