秋茄子嫁に食わすな(読み)あきなすびよめにくわすな

精選版 日本国語大辞典 「秋茄子嫁に食わすな」の意味・読み・例文・類語

あきなすび【秋茄子】 嫁(よめ)に食(く)わすな

  1. 嫁を、しゅうとめに対する嫁と解し、「秋なすは味がよいから嫁には食べさせるな」ということ。つまり、しゅうとめの嫁いびりの意に解するのが最も普通。逆に「秋なすはからだを冷やして毒だから(随・安斎随筆(1783頃)一六)」、「秋なすは種子が少ないから子種が少なくなるのをきらって(諺草(1699))」などという理由で、嫁に食わすなと解する説もある。あきさば嫁に食わすな。
    1. [初出の実例]「あきなすびよめにくはすな、よめしうとの中よきはもっけのふしぎ」(出典:俳諧・毛吹草(1638)二)

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ことわざを知る辞典 「秋茄子嫁に食わすな」の解説

秋茄子嫁に食わすな

秋の茄子は香りがよく、皮も薄くて、嫁には食べさせたくないほど、うまいものである。秋茄子の味が格別によいことのたとえ。

[解説] 秋鯖や秋カマスについても「嫁に食わすな」といいます。異説に、秋茄子は体を冷やすから大事な嫁をいたわって食べさせるな、とする説(「安斎随筆」)、秋茄子は種子が少ないので子種がなくなるとする説(「諺草」)などがありますが、いずれもこの表現が定着した後のもので、嫁の立場を考えて理由づけしたものでしょう。

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