程邃(読み)ていすい(その他表記)Cheng Sui

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「程邃」の意味・わかりやすい解説

程邃
ていすい
Cheng Sui

[生]万暦33(1605)
[没]康煕30(1691)
中国,清初の画家。歙 (しょう) 県 (安徽省) の人。字は穆倩 (ぼくせん) ,穆箭,号は垢区,垢道人。明末の諸生であったが明滅亡後は江寧 (南京) に寓居し,江東布衣 (ほい) と称し在野の処士として過した。いわゆる明遺民画家の一人に数えられる。詩文,篆刻のほか山水画をよくし,黄公望,董其昌ら呉派の正系を学びつつ,焦墨枯筆を用いて個性的な画風をつくり上げた。著書に『会心吟』がある。

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世界大百科事典(旧版)内の程邃の言及

【篆刻】より

… 清代になると,考証学がおこり,古印や封泥や他の文字資料の出土もますます多くなりそれらの出版物が次々と出されて,篆刻芸術は新たな段階をむかえた。〈皖(安徽の古称)派〉の創始者は程邃(ていすい)(1605‐1691)で,初め何震を宗としたが,その後大小篆文を融合させた新意ある刻風を完成させた。その門には,巴慰祖,胡唐,汪肇竜などがあり,秦・漢の古印をよく摹仿(もほう)し,元・明の古法と巧妙な調和を図った。…

※「程邃」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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