稲留村(読み)いなどめむら

日本歴史地名大系 「稲留村」の解説

稲留村
いなどめむら

[現在地名]志摩町稲留

(二四四・一メートル)の南東麓に位置し、東は井田原いだわら村、西は小金丸こがねまる村。元禄郷帳・国絵図作製時に稲富村から稲留村となった(「郷帳」九州大学法学部蔵)。イナドミともよぶ。嘉元三年(一三〇五)八月二日の鎮西下知状(大友文書/鎌倉遺文二九)によれば、怡土いと友永ともなが方地頭大友貞親代寂念が同庄名主らの年貢抑留・公事対捍を鎮西探題に訴えたなかに光永名・自得名の名主稲富十郎左衛門入道種禅がみえ、当地を名字の地とする領主であろう。観応三年(一三五二)書写の安楽寺領注進状に筑前国国衙として一括されたなかに「稲富灯油」がみえ、安楽寺(太宰府天満宮)の灯油料所として正応三年(一二九〇)に寄進されていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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