稽古娘(読み)けいこむすめ

精選版 日本国語大辞典 「稽古娘」の意味・読み・例文・類語

けいこむすめ【稽古娘】

歌舞伎所作事。いろいろな稽古事に通う思春期町娘を舞踊化したもの。
[一] 長唄。十世杵屋六左衛門作曲。尾上多見蔵の九変化舞踊「八重九重花姿絵(やえここのえはなのすがたえ)」の一つとして、天保一二年(一八四一江戸中村座初演。
[二] 富本。名見崎安治作曲。尾上多見蔵の七変化舞踊「七重咲浪花土産(ななえざきなにわのいえづと)」の一つとして、弘化三年(一八四六)江戸中村座初演。

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改訂新版 世界大百科事典 「稽古娘」の意味・わかりやすい解説

稽古娘 (けいこむすめ)

歌舞伎舞踊作品。富本。1846年(弘化3)3月江戸中村座初演。尾上多見蔵七変化所作事《七重咲浪花土産(ななえざきなにわのいえづと)》のうち〈深窓の振袖〉の曲。作曲名見崎安治。振付藤間勘右衛門,藤間大助西川巳之助西川芳次郎。同じく多見蔵が1841年(天保12)7月中村座で踊った九変化《八重九重花姿絵》の中の長唄《稽古娘》(10世杵屋六左衛門作曲)を改めたもの。深窓の娘が振袖姿で,稽古帰りの様子を踊る。とんできた凧の絵になぞらえてクドキをみせ,踊り地となる。昔はたいへん流行したというが,今はあまり上演されない。
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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「稽古娘」の解説

稽古娘
(通称)
けいこむすめ

歌舞伎・浄瑠璃外題
元の外題
七重咲浪花土産
初演
弘化3.3(江戸・中村座)

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