古窯(こよう)の一形式。斜面に縦に溝を掘り、これに天井をかぶせただけの簡単な登窯(のぼりがま)。焼物は高火度で焼成するが、そのために窯が築かれる。日本ではこの穴窯が5世紀に朝鮮半島から須恵器(すえき)の技術とともに導入された。普通、穴窯は2メートルから10メートルほどの長さであるが、なかには備前焼の鉄砲窯のように50メートルを超える長大な穴窯もある。構造は簡単で、1本の溝にすぎず、燃料をくべる燃焼室と、製品を置く焼成室からなり、後部に煙突がつく。平安時代中期に燃焼窯の後ろに、炎を二つに分ける分焔(ぶんえん)柱が設けられて、やや改善されたが、桃山時代に連房式登窯が登場するまで、およそ1100年ほどの間、たいした改造もなく連綿とこの形式が保たれた。
[矢部良明]
菊の節供,九月節供,重九 (ちょうく) ともいう。五節供の一つ。旧暦9月9日の節供で,奈良時代より,宮中では天皇が紫宸殿に出御し,群臣に宴を賜わり詩歌文章をつくらせる菊花の宴が行われ,年中行事となった...