…過密都市の土地を有効に利用するため,駐車場や道路,鉄道敷や水路の上を蓋がけしたり,下水処理場,給水所の水槽の上などを公園とするのも似た例である。古代バビロニアのネブカドネザル2世が宮殿に造ったハンギングガーデンhanging garden(空中庭園,架空園,懸垂園)が屋上庭園史上最古のものである。その後は権力の象徴,神への畏敬と接近のシンボルとして,宮殿の屋上やテラス,墓塔に植栽された例が散見される。…
…一方,古代の宮殿は,後世の人々の夢と想像力をかきたて,さまざまな神話や伝説を生んだ。クレタ島クノッソスのミノス王の宮殿(前15世紀)は,ラビュリントス(迷宮)とミノタウロスの伝説を生み,バビロンのネブカドネザル2世による宮殿(前6世紀前半)は,後世に〈空中庭園〉の伝説を残した。 古代ヨーロッパの宮殿が最高の規模と壮麗さに達したのは古代ローマ時代で,ローマ市内のパラティヌスの丘の上にアウグストゥス帝以降の諸帝が建設を繰り返した宮殿や,スプリトのディオクレティアヌス帝の離宮(300ころ)などが名高い。…
※「空中庭園」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」