空間論(読み)くうかんろん(英語表記)theory of space

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「空間論」の意味・わかりやすい解説

空間論
くうかんろん
theory of space

人間の生存の場としての空間に関する理論。空間についての思索は,時間についての思索と並んで,文明の発生とともに古く以後,時代や観点に応じて多彩な展開をみせる。すなわち,冥界から天界までを含む神話的空間像から,3次元ユークリッド空間やトポロジー空間までの多様な空間モデルを提示するさまざまな幾何学の空間論,絶対空間から時空連続体の場にまで及ぶ古今物理学の空間論,さらにはまた,人間の生活世界,芸術,環境世界などの空間の構造分析にいたるさまざまなかたちをとって展開される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の空間論の言及

【空間】より

…もちろん,このとらえ方自体,ある程度西欧的な哲学の伝統によりかかっており,例えば日本語における〈(ま)〉は,明らかに時間と空間の双方を含んだ概念であるが,もともと〈時間〉とか〈空間〉という日本語がそうした西欧的背景のなかで用いられる習慣がある以上,ここでもさしあたって西欧的な概念史を問題にする。
【西欧的空間概念の系譜】
 古代ギリシア文化圏で注目すべき空間論はデモクリトス,それにプラトン,アリストテレスに見いだせよう。デモクリトスにおいては,空間は,完全な〈空虚mēon〉(すなわちいっさいの存在の否定)としてとらえられ,それはまた,存在としての原子(アトム)が運動するための余地であるとみなされた。…

※「空間論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android