立坊(読み)リツボウ

精選版 日本国語大辞典 「立坊」の意味・読み・例文・類語

たちん‐ぼう‥バウ【立坊】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 長い間立ちつづけていること。また、その人。
    1. [初出の実例]「何時まで立坊(タチンバウ)をして居たって始らねえや。出掛けるなら、早く出掛けて了(しま)はうぢゃないか」(出典あめりか物語(1908)〈永井荷風〉暁)
  3. 明治~大正初期の頃、坂道の下などに立っていて車の後押しなどをして金銭をもらった者。また、その程度の下級労働者。
    1. [初出の実例]「(癸)日稼人足中最も劣等にして、常に車力人足に附属する惰民あり、立ん坊是れなり」(出典:日本の下層社会(1899)〈横山源之助〉一)
  4. 土木建築工事などの日雇い仕事に雇われようと、寄せ場で立って待っている人。

たちん‐ぼ【立坊】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「たちんぼう(立坊)」の変化した語 ) =たちんぼう(立坊)
    1. [初出の実例]「電車のぼる坂のまがりにつくづくと立坊(タチンボ)ならぶ日輪に向きて」(出典:あらたま(1921)〈斎藤茂吉〉折々の歌)

りゅう‐ぼうリフバウ【立坊】

  1. 〘 名詞 〙りったいし(立太子)
    1. [初出の実例]「承和九年八月四日立坊」(出典:愚管抄(1220)二)

りつ‐ぼう‥バウ【立坊】

  1. 〘 名詞 〙りゅうぼう(立坊)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「立坊」の読み・字形・画数・意味

【立坊】りつぼう

字通「立」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android