立挙(読み)タテアゲ

デジタル大辞泉 「立挙」の意味・読み・例文・類語

たて‐あげ【立挙】

《物の上端からさらにいちだん高く突き出た部分の意から》
よろいの胴の上部前後で、胸と背とをおおう部分。衡胴かぶきどうの上につく。
臑当すねあの上部で、膝頭をおおう部分。
毛沓けぐつの上部で、足首をおおう部分。

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精選版 日本国語大辞典 「立挙」の意味・読み・例文・類語

たて‐あげ【立挙】

  1. 〘 名詞 〙 物の上端にさらに一段と高くはり出した部分をいう。鎧の衡胴(かぶきどう)の上で、胸と背に当たる部分や臑当(すねあて)の上の膝頭(ひざがしら)を覆う部分。また、毛沓(けぐつ)の足首にめぐらした部分などをいう。
    1. [初出の実例]「鎧の事 鎧の胴の板は七枚なり〈略〉かぶき胴より上三枚をばたてあげといふ」(出典:軍用記(1761)二)

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世界大百科事典(旧版)内の立挙の言及

【胴丸】より

…胴の前後を覆って,右脇で深く引き合わせ,裾に8枚の草摺(くさずり)を付属する。札(さね)とよぶ牛の撓革(いためがわ)または鉄の小片を横につらねてつづり合わせ,さらに縦に胴まわりを衡胴(かぶきどう)といって4段,立挙(たてあげ)といって正面上部の胸板につづく2段と背面上部の押付(おしつけ)につづく3段,草摺を5段,それぞれ革緒や糸の組緒で札を1枚ずつ細かに威(おど)しつけるのを常とする。草摺を8枚に分けているのは歩行しやすいためであり,13世紀末ころまでは,もっぱら歩兵用として兵卒の間に用いられた。…

※「立挙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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