立政寺(読み)りゆうしようじ

日本歴史地名大系 「立政寺」の解説

立政寺
りゆうしようじ

[現在地名]岐阜市西荘

岐阜市西部、東海道本線西岐阜駅の北方約五〇〇メートルに位置。亀甲山と号し、浄土宗西山禅林寺派。本尊阿弥陀如来。天下七檀林の一つに数えられ、東海地方における浄土宗弘通の根本道場となった。開山の智通(字は光居)が、文和二年(一三五三)伊勢神宮参詣の途次西庄にしのしように宿し、村民尊崇を得た。翌三年藪田やぶたの小野種壱、鏡島かがしまの石河義熙ら当地域の土豪は、智通のために土地を寄進し、堂宇を建立した。同年後光厳天皇が南朝の京都攻撃を避けて一時瑞巌ずいがん(現揖斐郡揖斐川町)に滞在したが、このとき同行した市橋いちはし庄の領主関白二条良基は、智通の高名を聞き行在所に招いて天下静謐を祈らせたという。この縁によって智通は翌四年に勅願道場として立政寺の寺号を与えられ、良基は市橋庄の地を寄進し、諸堂を建立したという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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