竹敷の浦(読み)たけしきのうら

日本歴史地名大系 「竹敷の浦」の解説

竹敷の浦
たけしきのうら

古代よりみえる対馬地名で、朝鮮渡海の泊地。天平八年(七三六)阿倍継麻呂を大使とする遣新羅使が対馬に到着、一行の「竹敷の浦に舶泊てし時に各々心緒を陳べて作る歌十八首」が「万葉集」巻一五に掲載される。うち副使大伴宿禰三中や大判官壬生宇太麿の「竹敷の浦廻の黄葉われ行きて帰り来るまで散りこすなゆめ」「竹敷のうへかた山は紅の八入の色になりにけるかも」などのように、当地名を歌い込んだ場合には「多可之伎」「多可思吉」と万葉仮名が用いられ、当時「たかしき」と発音された。対馬の娘子玉槻の「竹敷の玉藻靡かし漕ぎ出なむ君が御船をいつとか待たむ」も「多可思吉」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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