竹野庄(読み)たかののしよう

日本歴史地名大系 「竹野庄」の解説

竹野庄
たかののしよう

筑後竹野郡に成立した庄園。竹野庄として立券されたが、竹野新庄の成立により竹野本庄ともよばれた。古代の竹野郡竹野郷(和名抄)系譜を引く。庄内には武松たけまつ村・下大窪しもおおくぼ村・まき村・馬渡まわたり金丸かなまる名・真得じんとく名などの存在が知られ(建武四年九月四日「一色道猷宛行状写」照円寺文書/南北朝遺文(九州編)一など)、おおよそ現田主丸町北西部、筑後川左岸の八幡やはた地区から巨瀬こせ川右岸一帯に比定される。付近は筑後川の氾濫原であるが、筑後川沖積低地の開発が一〇世紀末頃から進められた結果成立した庄園であろう。「宇佐大鏡」に筑後国守部もりべ(現大刀洗町)一八町七反三〇歩は「依竹野庄加納半不輸也」とあり、守部庄が万寿三年(一〇二六)の立券というから(同書)、竹野庄の成立はさらにさかのぼることになる。保延四年(一一三八)一一月一三日の竹野庄牒(東大寺成巻文書/平安遺文五)に「竹野御庄」とみえ、竹野庄の庄預らが四至内にある寺領田二町八反余に対する観世音寺(現太宰府市)の非法な干渉に抗議している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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