笑壺に入る(読み)エツボニイル

デジタル大辞泉 「笑壺に入る」の意味・読み・例文・類語

笑壺えつぼ・る

思い通りになって大いに喜ぶ。
博士が三四歳の男の子を抱えて、独り―・っている」〈白鳥何処へ〉
[補説]この句の場合、「入る」を「はいる」とは読まない。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「笑壺に入る」の意味・読み・例文・類語

えつぼ【笑壺】 に 入(い)

  1. [ 一 ] ( 「入る」が四段自動詞の場合 )
    1. 思わず笑い出したい気持になる。また、その気持をおもてに現わして、大いに笑い興ずる。多く、大勢の場合にいう。
      1. [初出の実例]「女房共皆ゑつぼに入にけり」(出典:今昔物語集(1120頃か)二四)
    2. 思い通りになったり、得意になったりして、思わず笑いを浮かべる。にこにこする。ほくそえむ。多く、一人の場合にいう。
      1. [初出の実例]「『平氏たはれ候ぬ』とぞ申されける。法皇ゑつぼにいらせおはして」(出典:平家物語(13C前)一)
    3. 人の手中や、人が仕掛けたくらんでおいた罠(わな)計略や、かねて望んでいたことにおちいるようになる(日葡辞書(1603‐04))。
  2. [ 二 ] ( 「入る」が下二段他動詞の場合 ) 人を、たくらんだ計略におとしいれる。
    1. [初出の実例]「ヒトヲ yetçuboni(エツボニ) iruru(イルル)」(出典:日葡辞書(1603‐04))

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