第三史観(読み)だいさんしかん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「第三史観」の意味・わかりやすい解説

第三史観
だいさんしかん

高田保馬によって概念規定された用語。彼は歴史動因を社会的関係に求め,この社会的関係の形式をもって歴史,文化の変動源泉と考えた。歴史の動因を生産力に求める唯物史観,また観念に求める観念史観に対して,この両者を規定する社会的関係の形式の変化をとらえ,唯物史観と唯心史観を統一する第三の道として提起された。

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世界大百科事典(旧版)内の第三史観の言及

【高田保馬】より

…高田の階級理論および勢力論は,〈力の欲望〉と呼ばれる勢力欲求を仮設することから始まり,武力,権力,富力,文化力,威力という五つの勢力手段の相互依存,相互加速に関する諸命題の展開を内容としている。また,その階級理論および勢力論の動学理論は,社会変動の究極的原因は人口の増加に伴う社会的関係にあるとする〈第三史観〉テーゼに関する一連の命題仮説の構築から成っている。他方,社会関係論および社会発展論は,〈結合定量の法則〉と名付けられた独創的な仮説命題を出発点とし,これに社会的密度の増加についてのデュルケームの命題を組み合わせて演繹された多数の命題体系から成っている。…

※「第三史観」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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