第四の壁(だいよんのかべ)(読み)だいよんのかべ(英語表記)the fourth wall

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

第四の壁(だいよんのかべ)
だいよんのかべ
the fourth wall

自然主義演劇美学を示す概念舞台の上には部屋を示す三方の壁が装置によってつくられるが、観客席との間には目に見えない第四の壁があるものと考えよという理論で、現実をこっそりのぞき込むことを演劇理想とするもの。行きすぎた写実性に対する皮肉としていわれるのが普通だが、この考えを初めに述べたディドロ(『劇詩論』De la poésie dramatique第11章)では、積極的で革新的な理念であった。

佐々木健一

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android