笹屋(読み)ササヤ

デジタル大辞泉 「笹屋」の意味・読み・例文・類語

ささ‐や【×笹屋】

笹ぶきの小屋
「わが恋はしづの―のとまを荒らみ漏りやしぬらん時雨降る頃」〈万代・九〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「笹屋」の意味・読み・例文・類語

ささ‐や【笹屋】

[1] 〘名〙
① 笹の葉で屋根を葺(ふ)いた粗末な小屋。笹葺(ささぶき)
※今鏡(1170)八「葺(ふ)きぞわづらふ賤(しづ)のささやを」
文楽人形かしら「娘」の一種。人形師笹屋喜作による。「本朝廿四孝」の八重垣姫など時代物の姫の役に使う。
[2]
[一] 江戸時代、京都室町にあった呉服所(ごふくじょ)
※浮世草子・世間胸算用(1692)四「例年の衣(きぬ)くばりとて、〈略〉笹屋(ササや)にて調のへ、それぞれに給はりける」
[二] 江戸時代、江戸本郷にあり、「笹屋の目薬」として目薬を売っていたことで有名な店。
※雑俳・柳多留‐一一六(1832)「笹屋のけんへき御利益の善光寺
[三] 江戸時代、下総(千葉県)行徳にあったそば屋。
※滑稽本・旅眼石(1802)「行徳のさとにいたり、笹屋といへるにやすらひはべる。ここはうどん名所にて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の笹屋の言及

【人形浄瑠璃】より

…《曾根崎心中》のお初などには,目を閉じる仕掛の〈ねむり娘〉が使われる。また,天保(1830‐44)のころの名人笹屋芳兵衛作と推定される〈笹屋〉は普通の〈娘〉にくらべると細面で目が細く,三姫に使われる。 特殊な首としては,盲目の〈景清〉,〈丞相〉,美しい娘の形相が変わる〈がぶ〉,〈玉藻前(たまものまえ)〉などがある。…

※「笹屋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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