等活地獄(読み)トウカツジゴク

デジタル大辞泉 「等活地獄」の意味・読み・例文・類語

とうかつ‐じごく〔トウクワツヂゴク〕【等活地獄】

仏語八大地獄の第一。殺生を犯した者が落ちるとされ、獄卒鉄棒や刀で肉体を寸断されて死ぬが、涼風が吹いてくるとまた生き返り、同じ責め苦にあうという。

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精選版 日本国語大辞典 「等活地獄」の意味・読み・例文・類語

とうかつ‐じごくトウクヮツヂゴク【等活地獄】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。八熱地獄の第一。南瞻部洲の下、千または五千由旬の所にあるという。獄卒により身を裂かれ骨を砕かれて殺されるが、涼風が吹くと生きかえってまた同じ責め苦を受け、これを繰り返すので、その名がある。殺生などの罪を犯した者がここに堕ちるという。等活道。等活。
    1. [初出の実例]「初等活地獄者、在於此閻浮提之下、一千由旬」(出典往生要集(984‐985)大文一)
    2. [その他の文献]〔翻訳名義集‐七〕

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世界大百科事典(旧版)内の等活地獄の言及

【地獄】より

…死後赴くべき他界の一つ。冥界,冥府,陰府(よみ)などともいい,英語のhell,ドイツ語のHölle,フランス語のenfer,イタリア語のinfernoなどに相当する。一般に,墓地の情景や死体の腐乱過程との連想から生みだされたものだが,超常的な観念や表象によって作りだされた場合もある。〈地獄〉の語はもとサンスクリットに由来し,のちに仏教とともに中国に輸入されると,泰山府君の冥界観と結びついて十王思想を生みだし,さらに日本に伝えられると,記紀神話に描かれる黄泉国(よみのくに)や根の国の考え方と接触融合して独自の地獄思想を生みだした。…

※「等活地獄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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