等面積投影法(読み)とうめんせきとうえいほう(その他表記)equal-area projection
equiareal projection

改訂新版 世界大百科事典 「等面積投影法」の意味・わかりやすい解説

等面積投影法 (とうめんせきとうえいほう)
equal-area projection
equiareal projection

考案者の名J.H.ランバートをとりランベルト投影法Lambert projection,構造岩石学に初めて用いたW.シュミットの名をとりシュミット投影法Schmidt projectionということもある。三次元空間内の平面の向きや面相互の位置関係を平面上に表して解析するとき,設定される球面上での相互に等しい面積が,投影面上においても,位置によってゆがめられずに等しく表現されるように工夫された投影法。地質構造の解析において,線構造や面構造の空間的配位の集中度を表現するためなどに使用される。作図上の便宜のためにシュミットが考案した投影網面(シュミットネットあるいは等面積ネット)が用いられる。等面積投影法では,平面上に表そうとする線や面の方向を直線として想定し,この直線上の任意の1点Oを中心とする球面を設定する(図1)。直線と球面の交点Pと両極を通る大円を投影した直線上に下極から,下極とPの間の長さrと等しい点P′をとるとき,点P′が与えられた方向を点として表した等面積投影である。図中のP,Q,Q′の3点を通る平面は球面上の大円PQQ′として赤道面上のに投影され,水平面は赤道として投影される。ファブリック要素を投影する場合は,球面投影の下半球をその極と接する投影面上に等面積法で示す。

 シュミットネットは,等面積投影の際に設定される球面上に,あらかじめ規則的な網目を描いておき,その網目を投影面上に等面積投影によって表した網面である(図2)。球面上に描かれる網目は,図の直径とする2度きざみの大円と,に直交する鉛直方向で中心角度2度きざみで輪切りにした小円によってつくられている。ステレオ投影法と異なり,球面上の大円,小円は投影面上では円にならない。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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