筋固縮(読み)きんこしゅく(その他表記)muscle rigidity

改訂新版 世界大百科事典 「筋固縮」の意味・わかりやすい解説

筋固縮 (きんこしゅく)
muscle rigidity

筋緊張(筋トーヌス)の亢進した状態の一つ。rigidityは硬直強剛,強直とも訳されることがあり注意を要する。四肢筋肉が緊張状態にあって,それを他動的に曲げたり伸ばしたりするとき,当初から抵抗を感じる。その抵抗は,筋痙縮と異なり,屈曲,伸展の速さとか,動作の初めと終りなどの経過に関係なく,ほぼ一定であり,鉛管現象leadpipe phenomenonあるいは可塑性固縮plastic rigidityと呼ばれる。一般的には,不随意な運動に関係する錐体外路系の障害の際にみられ,不随意運動や寡動などを伴うことが多い。たとえば,典型的な固縮のみられるパーキンソン症候群では,振戦(不随意なリズミカルな運動)も加わって一つ一つひっかかっていく間欠的な抵抗として感ずることもある(歯車現象cog-wheel phenomenon)。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の筋固縮の言及

【筋痙縮】より

…筋痙縮は,脳卒中による片麻痺や脊髄損傷による対麻痺など,随意運動をつかさどる錐体路系の障害で出現する。 なお実際上は筋固縮muscle rigidityと共存している場合もあり,そのような場合は強剛痙縮(固痙縮)rigidospasticityと呼ぶ。【水沢 英洋】。…

【筋痙縮】より

…筋痙縮は,脳卒中による片麻痺や脊髄損傷による対麻痺など,随意運動をつかさどる錐体路系の障害で出現する。 なお実際上は筋固縮muscle rigidityと共存している場合もあり,そのような場合は強剛痙縮(固痙縮)rigidospasticityと呼ぶ。【水沢 英洋】。…

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