筋立(読み)すじだて

精選版 日本国語大辞典 「筋立」の意味・読み・例文・類語

すじ‐だて すぢ‥【筋立】

〘名〙
毛髪の筋を正すのに用いる櫛(くし)。柄が長くて細く、先端が鋭くとがっている櫛。すいたて。けすじたて。筋棒
浄瑠璃持丸長者金笄剣(1794)二「今のざまを鏡でみされ、ばいの尻のやうなどたまに筋立(スジタテ)壱本」
② 話・論理作品などの内容を順序だてて構成すること。また、その仕方。話などの骨組み、仕組み。
※滑稽本・七偏人(1857‐63)二「其処のは労痎筋、成田や筋なんのといふので筋立(スジダテ)がよろしくねへから僉(みんな)が用ねへのだは」
西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉三「コレサ新古の論は筋立(スヂダテ)をきいてからのこととしたまへ」

すじ‐だ・つ すぢ‥【筋立】

[1] 〘自タ五(四)〙
線状に盛り上がる。かたく筋が浮き上がる。筋張る。
首尾が一貫する。道理にかなう。すじみちが立つ。
※第4ブラリひょうたん(1954)〈高田保〉ブラリひょうたん・日本的選挙「聴けばどれも一応筋立ったことをいうので、結局判断に苦しんだというのだが」
[2] 〘他タ下二〙 ⇒すじだてる(筋立)

すじ‐だ・てる すぢ‥【筋立】

〘他タ下一〙 すぢだ・つ 〘他タ下二〙
① 毛髪のくせを直す。毛筋をととのえる。
※浄瑠璃・神霊矢口渡(1770)四「けふの髪は上村のおみよ様が、筋立ててくれなさった大事の髩(たぶ)を損ふて」
物事の構成を考える。話の骨組みをこしらえる。

すい‐たて【筋立】

〘名〙 =すじだて(筋立)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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