箱原村(読み)はこばらむら

日本歴史地名大系 「箱原村」の解説

箱原村
はこばらむら

[現在地名]鰍沢町箱原

富士川西岸に接し、大柳おおやな川が形成する氾濫原に位置する。北は鰍沢村枝郷の鬼島おにじま、西は柳川やながわ村、東の富士川対岸に八代郡羽鹿島はじかじま村がある。「一蓮寺過去帳」によれば、文明一四年(一四八二)閏七月一四日供養の衆一房に「ハコ原」と注記される。天正八年(一五八〇)閏三月二四日、穴山信君が穂坂常陸介に対し箱原で一二俵の受領を安堵している(「穴山信君判物写」寺記)。同一九年には加藤光泰が船頭甚右衛門に箱原村の船頭屋敷を免除し、公方衆の渡川に従事するよう命じている(同年一一月二〇日「加藤光泰印判状」依田忠雄家文書)。依田忠雄家に残る宛名を欠く元亀元年(一五七〇)一二月一〇日の穴山信君判物にみえる、居屋敷一間の棟別諸役を免除する替りに命じた「相当之奉公」も、船頭の奉公とみられ、のちに砥阪とさか渡とよばれる富士川の渡船業務が戦国期から行われていたことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android