籀(漢字)

普及版 字通 「籀(漢字)」の読み・字形・画数・意味


19画

(異体字)
21画

[字音] チュウ(チウ)
[字訓] よむ

[説文解字]

[字形] 形声
正字はに作り、(ちゆう)声。は〔説文〕十二上に「引くなり」とし、抽はその別体の字。〔方言、十三〕に「抽は讀むなり」、〔詩、風、牆有茨〕の〔伝〕に「讀は抽なり」とあって、読む意に用いる。(りゆう)(留)は溜り水の象形。それを抽き流すことをという。〔説文〕五上に「籀は書を讀むなり」とあり、抽・と同訓。〔史記、太史公自序〕に「記を紬(よ)む」とあり、紬も同訓の字である。〔逸周書、世俘解〕に「佚をして書を天號に(よ)ましむ」とあり、(ちゆう)の正字は、字はまた由に作る。占卜の意味を紬繹(ちゆうえき)すること、たぐり出しよみとる意である。〔史籀〕の初句「大籀書」は、王国維の説に「大、書を籀(よ)む」とよむべく、「大籀の書」とよんで、その字体を「籀」「籀書」とするのは、誤りであるという。〔説文〕に「籀文」として録する字は西周後期の金文に近く、秦の大篆はその系列に属しており、のちやや省簡を加えて小篆となった。

[訓義]
1. よむ、書をよむ、卜兆をよむ。
2. 籀文、大篆ともいう。古代の書体
3. ・抽と通じ、よむ。

[古辞書の訓]
立〕籀 フミツクル・フミヨム

[語系]
籀・)・紬diuは同声は占卜の意を紬繹する、紬は糸をつむぐ意。・抽thiuはともに抽引の意があり、みな一系の語である。

[熟語]
籀繹籀演・籀書籀篆籀読・籀文
[下接語]
古籀・篆籀

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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