米多井
めたのい
[現在地名]上峰村大字前牟田字小坊所
米多村集落の北北東六〇〇メートルにあった井戸。「肥前風土記」の米多郷に「此郷之中有
井、名曰
米多井
、水味鹹」とみえる。景行天皇がこの地を巡狩した際、この井戸の底に海藻が生えているのを見て「海藻生ふ井」と名付けたのがなまって米多井となり、やがて郷の名となったと同書に記されている。この地は等高線五―一〇メートルの平地で、古代の海岸線に近く、地名の起源はともかく海藻が生ずる井戸もありうるとされている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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