日本大百科全書(ニッポニカ) 「精巣炎」の意味・わかりやすい解説 精巣炎せいそうえん おもに細菌感染によって精巣(睾丸(こうがん))が炎症をおこしたものをいう。精巣上体(副睾丸)の炎症が精巣に波及することはしばしばみられるが、精巣自体に炎症が原発することはむしろまれである。代表的なものは耳下腺炎(じかせんえん)性精巣炎で、成人が流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)にかかった際にみられ、精巣の痛みと腫脹(しゅちょう)を呈するが1週間程度で快復し、そのあとに精巣が萎縮(いしゅく)することがある。通常、一側性であるが、両側性の場合には男子不妊症(男性に原因がある不妊症)の原因となることがある。このほか梅毒性の精巣炎などもまれにある。[河田幸道][参照項目] | 睾丸 | 精巣上体炎 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例