精進川村(読み)しようじんがわむら

日本歴史地名大系 「精進川村」の解説

精進川村
しようじんがわむら

[現在地名]富士宮市精進川

下条しもじよう村の西、しば川上流域に位置し、西部天子てんしヶ岳東麓山地で、山麓大倉おおくら川が南流して芝川に合流する。中世上野うえの郷のうち。精進河とも記される。応永二三年(一四一六)四月八日の日伝譲状写(興門集)に、日伝が弟子日宣に譲った小泉久遠こいずみくおん寺の坊地の内に「上野精進河」とみえる。天文二〇年(一五五一)九月二三日、大宮おおみや浅間社(富士山本宮浅間大社)別当宝幢ほうとう院増円に護摩料として「精進河内六貫文」の地が安堵されている(「今川義元判物」宝幢院文書)。この六貫文の地は弘治三年(一五五七)一一月二六日にも別当領分として増円に安堵され(「今川義元判物」同文書)、永禄三年(一五六〇)一〇月二六日にも今川氏真(義元息)が増円に安堵している(「今川氏真判物」同文書)。同五年四月一一日、氏真が佐野弥八郎に「富士精進河口前」の新在家(一〇間)棟別・諸役を二〇ヵ年免除し、弥八郎が年来抱えてきた名田検地によって三貫文の年貢増の地とされたが、増分の半分を免除し、商売五〇貫文までは課税免除とするなど、諸役を免除している(「今川氏真判物」渡井文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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