糖尿病による代謝障害や血管障害が長期にわたり持続することで生じる慢性合併症の一つ。糖尿病の代表的な合併症であり、糖尿病網膜症、糖尿病腎症(じんしょう)とならび、細小血管障害に分類される。
糖尿病神経障害はさらに多発神経障害と単神経障害とに分類され、とくに多発神経障害が高頻度でみられる。多発神経障害は高血糖の持続によって発症・進展するもので、おもに両下肢(とくに足部)の感覚神経障害(痛みやしびれ、知覚の低下、異常知覚など)、運動神経障害、自律神経障害(無自覚性低血糖、起立性低血圧、種々の消化器症状、勃起(ぼっき)障害など)を呈する。知覚の低下は、足部の潰瘍(かいよう)や壊疽(えそ)の原因となることがある。
血糖値を良好な状態に保つこと(血糖コントロール)が予防や治療となるが、薬物療法としては、アルドース還元酵素阻害薬が自覚症状を改善し、神経機能の悪化を抑制することが知られている。
単神経障害は、糖尿病の罹患(りかん)年数や血糖コントロールとは無関係に、唐突に単一の神経麻痺(まひ)が起こる。顔面神経麻痺や外眼筋麻痺が多くみられるが、多くは3か月以内に自然に改善がみられる。
[編集部 2018年3月19日]
糖尿病によって血糖値が高い状態が続くと、足や手など末梢の比較的細い神経線維から始まる末梢神経の障害と、心臓、血圧や胃腸の動きを司る自律神経の障害が起こります。
末梢神経障害も自律神経障害も、高血糖によって神経がむくむようになったり、高血糖で変性した蛋白がたまったり、神経に栄養を供給する細い血管がつまって神経が部分的に死滅するために発症すると考えられています。
神経障害は、その発症のしかたから突然起こるものではなく、通常徐々に進行します。一方、血糖コントロールを良好に保つと、高度に進行した場合を除いて神経障害は改善傾向を示します。
渥美 義仁
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
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