糖尿病神経障害(読み)トウニョウビョウシンケイショウガイ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

糖尿病神経障害
とうにょうびょうしんけいしょうがい
diabetic neuropathy

糖尿病による代謝障害や血管障害が長期にわたり持続することで生じる慢性合併症の一つ。糖尿病の代表的な合併症であり、糖尿病網膜症糖尿病腎症(じんしょう)とならび、細小血管障害に分類される。
 糖尿病神経障害はさらに多発神経障害と単神経障害とに分類され、とくに多発神経障害が高頻度でみられる。多発神経障害は高血糖の持続によって発症・進展するもので、おもに両下肢(とくに足部)の感覚神経障害(痛みやしびれ、知覚の低下、異常知覚など)、運動神経障害、自律神経障害(無自覚性低血糖、起立性低血圧、種々の消化器症状、勃起(ぼっき)障害など)を呈する。知覚の低下は、足部の潰瘍(かいよう)や壊疽(えそ)の原因となることがある。
 血糖値を良好な状態に保つこと(血糖コントロール)が予防や治療となるが、薬物療法としては、アルドース還元酵素阻害薬が自覚症状を改善し、神経機能の悪化を抑制することが知られている。
 単神経障害は、糖尿病の罹患(りかん)年数や血糖コントロールとは無関係に、唐突に単一の神経麻痺(まひ)が起こる。顔面神経麻痺や外眼筋麻痺が多くみられるが、多くは3か月以内に自然に改善がみられる。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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