糠田郷(読み)ぬかたごう

日本歴史地名大系 「糠田郷」の解説

糠田郷
ぬかたごう

中世の郷名。現原木ばらきの字糠田を遺称地とする。「吾妻鏡」文治元年(一一八五)四月二〇日条によれば、源頼朝は三嶋社(三嶋大社)に「糠田郷」を寄進し、同社神主西大夫盛成に付して八月放生会料所とさせた。貞応元年(一二二二)一二月二七日に天野遠景が没しているが、遠景は「豆州糠田庄」の公文職を領していた(萩藩閥閲録)。正和四年(一三一五)九月一〇日、三嶋社神主盛時の遺領として糠田郷内の田五段六〇歩などがその子息厚盛に安堵された(「関東下知状」三嶋大社文書)。正応(一二八八―九三)頃の関東評定事書写(新編追加)によると、三嶋社領糠田郷は北条時政の時代に富士左衛門入道行阿が下文を掠取り九〇年に及んだが、西大夫盛経の訴えにより行阿の押領が停止されたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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