紀伊郷(読み)きいごう

日本歴史地名大系 「紀伊郷」の解説

紀伊郷
きいごう

和名抄」高山寺本・刊本とも訓を欠く。康治二年(一一四三)八月一九日付太政官牒案(安楽寿院古文書)芹川せりかわ(現伏見区)について、

<資料は省略されています>

と記す紀伊里は郷名にちなむものであろう。「文徳実録」嘉祥三年(八五〇)三月二七日条に「近陵七ケ寺」の一として記される紀伊寺も郷名にちなむものであろう。この寺については「大日本地名辞書」は安楽寿あんらくじゆ(現伏見区)近くの国分寺にあてるも不詳。

紀伊郷
きいごう

「和名抄」の諸本に訓を欠く。中世の紀伊郷は九条家領柞田くにた(現観音寺市)の東に位置していた(建長八年八月二九日「柞田庄四至示注文」続左丞抄。「新修香川県史」は木之郷きのごうの地名のあることから、同地を当郷の遺称地とし、もと「木郷」と記したのが和銅六年(七一三)五月の詔で郡郷名は二字とし、好字を用いるようにされたために紀伊郷と書くようになったと推測している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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