朝日日本歴史人物事典 「紀飯麻呂」の解説
紀飯麻呂
生年:生年不詳
奈良時代の公卿。紀大人の孫で古麻呂の子。神亀6(729)年3月外従五位下。天平12(740)年9月藤原広嗣の乱が九州で起こると,持節大将軍大野東人の下で征討副将軍を務めて活躍し,勲2等を授けられた。のち大蔵卿,右京大夫などを歴任し,天平宝字1(757)年8月には参議となった。令外官紫微中台の次官を兼ね,勢力を振るう長官の藤原仲麻呂を補佐。仲麻呂政権下では,河内守を兼ねて義(刑)部卿を務め,美作守を経て,6年1月に従三位に昇った。病気のため辞官を請うていたところ死去した。仲麻呂の有力な側近であったとみられている。
(寺崎保広)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報