精選版 日本国語大辞典 「納物」の意味・読み・例文・類語
おさめ‐ものをさめ‥【納物】
- 〘 名詞 〙
- ① 君主、領主などに納める物品。また、税。租税。
- ② 注文の品を受け取る相手に届けること。また、その品。
- [初出の実例]「今日は屋敷の納物(ヲサメモノ)も済まし、用向も片附きたれば」(出典:人情本・恋の若竹(1833‐39)中)
- ③ 神社、仏閣に奉納する物品。
- [初出の実例]「きんらん、錦などは古き宮寺のおさめ物を袋に縫て入置しを」(出典:慶長見聞集(1614)三)
- ④ 葬式に行くことをいう、塗師仲間の隠語。
- [初出の実例]「なァにけいしがとまったやうになってゐらァ、おさめ物に行かざァなるめへ(此けいしがとまったとは、死んだ事、おさめものとはとぶらひに行をいふ)」(出典:洒落本・品川楊枝(1799))